朝市ウォッチング

五戸町で無農薬野菜作り。~はる農園

ふとっぱらな生き方

いまは「いかに時間や手間をかけずに成功するか」とか、「費用対効果」とかが大きな声で語られる世の中です。だからその正反対のあり方が、とてもまぶしく映るのです。手間ひまかけて何かをつくる喜びは、本当は誰の胸の中にもあるのに、今は世の中が忙しすぎて、それを忘れているような気がします。
 一生けんめいに働く。手間をかける。時間をかける。自分の頭で考える。うまくいかなくても、その過程を楽しむ。頭も身体も時間も、惜しまない。
 これはある意味「ふとっぱら」な生き方なのではないでしょうか。この「ふとっぱら」が地方に住む私たちの毎日をもっと楽しくするんじゃないか。そう思ったきっかけが、五戸町で無農薬・無化学肥料の野菜をつくっている春義彦さんご夫婦との出会いでした。

2月初旬、はる農園のビニールハウスでは種まきが行われていました。約55坪のハウスは去年12月、近所のベテラン農家さんたちに手伝ってもらって完成させたものです。
 「ハウスにビニール張るのに、屋根の上を走るんですよ。強風の中、60代が。すごい身軽に。忍者か鳶職か!?みたいな(笑)。すごかった」と二人はビニールハウスを建てた時のことを振り返ります。
 外は氷点下ですが、一歩足を踏み入れると、そこは春です。玉ねぎ、ブロッコリー、キャベツ、レタス。黄緑色の小さな小さな芽が、苗床から顔を出している。まだ弱々しいけれど、確かに新しい命が育っていると感じます。
 春さんは横浜出身の29歳、就農2年目の春を迎えようとしています。東日本大震災直前の2011年3月はじめ、奥さまの文子(あやこ)さんととともに五戸町倉石に移り住み、農業を始めました。

●春義彦さん・文子さんについて、くわしくはこちら

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